TOP OF FORTY FOURのある生活

無添加手巻きタバコTOP OF FORTY FOURを愛するおっさんの日々

運命の出会い

インターネットでタバコの添加物の記事を読み漁って、本も買って読んで頭の中の知識としては一通り飲み込んだわ。タバコの添加物は500種類とも3000種類とも言われており、主なものとしては燃焼剤、保湿剤、保存剤、結合剤、溶媒、工程助剤などなどね。それらが身体に悪いだろうし、タバコを吸いやすくするために気管支を広げたり、タバコのヤニが手につかないようにしたり、燃焼促進剤を入れて燃えやすくすると言うのは理解できた。

でもいくら知識を入れても、それが自分で経験したものではないため納得できず、心のモヤモヤはそのままだったんや。そんなある日の事。

世界中どこでも同じなんやけれど、白人が多い都市ってのは必ず彼らが大好きなBARが作ってある。簡単な食事とビールを主体にカクテル、ウィスキー。最近は店内は禁煙のところが多く店の入り口には数席のテーブルと椅子、そして大きな灰皿が置いてある。白人仲間と連れ立ってとあるBARで一杯やりながらダベっていた時だった。ワシの少し後ろのカウンターで得意の手巻きタバコを巻きながら一人の白人が仲間達に巻きたてのタバコを勧めてる。これはよく見かける風景なので気にも留めなかったが、このタバコは農民から直接買った世界一の品質の葉っぱだから試してみろ!と仲間達に配っていた。

正直、ヨダレが出たわ。世界一やと!農民から直接やと!そんなんどこにも売ってない!当然添加物も何も入っていないやんけ!一般的にBARと言うのは白人にとって新しい友人を求める場でもあり、日本人では考えられないほど簡単に打ち解けるように見える。しかしそれは数人で行ったBARに一緒に行った奴の友人がいて、紹介されてから飲むのが普通であり、まったく誰からの紹介もなくタバコを欲しいとか、話を聞きたいと言うのは気が引けてしばらく見ていたんや。

すると彼らは連れ立って店の入り口の外に出て、おもむろにその世界一の葉っぱを吸い始めた。もうワシの目は釘付けや。仕方なく自分が巻いてきた欧州のタバコを持って外に出てタバコを吸うフリをして奴らを観察した。ふぅぅぅううーーーこりゃ美味い。クセがない。味わいが深い。などとその世界一の葉っぱを貰った奴らは口々に表現しており、世界一の葉っぱを配った白人は満足そうに巻きたてのタバコをくゆらしてやがる。

クッソーー!ワシも欲しいやんけ!でもこいつら知らんし・・・・どこかで誰かが背中を押したような気がした。ここは大和魂や。ここで世界一の葉っぱを吸わないと一生後悔する!ワシはオモムロに話かけた。隣で聞いていたのですが、そのタバコはそんなに素晴らしいのですか?どこに行けば買えるのでしょうか?と下手に出た。相手はワシより若い奴だったけれど、タバコを一本くれとは言いにくく、買いたいと申し出たんや。すると買うことは難しい。でも一度試してごらんよと中に入っていった。

もうドキドキやがな!そうやなソープの部屋で女の子待っている心境に近いのか?はたまた世界一の料理人が作るラーメンが出来るのを待ってるのか?(何で世界一の料理人がラーメンやねん?)それはともかく、自他共に認めるヘビースモーカーが始めて、世界一の葉っぱとめぐり合うんや。そりゃ興奮せん方が無理っちゅぅもんやで。コツコツ・・・・スタスタ・・・・奴が歩いて来た。手には巻きたての世界一の葉っぱを持って!!!

あぅぅうーーー来たぞ、来たぞーーー!しかし出来るだけ平静を装い、それでもうやうやしく世界一の葉っぱで巻いたタバコを受け取った。奴はあっさりと巻きたてのタバコを渡すと再び店内の仲間のところに消えていった。後に残ったのは世界一の葉っぱや!さあ、どう料理してやろうか?まずは観察してみた。次に火をつける前の匂いを嗅いで見た。んーーーよく分からん。分からないけど市販のタバコよりずっと黄金色をしていた。

よーーし火をつけるぞ!一服深く肺に入れた。おおーーー結構くるぞ。これはロングピースの両切りか?続いて二口目、三口目・・・・口で上手く言い表せんけどこれは来てる!確実や。確かに深くてクセが全くない。ワシはこれを求めていたのか?最初の口当たりは強く感じたけれど、慣れてくるとそうでもない。しかし確実に味わいが深い。これが世界一の葉っぱの自然なタバコなのか!ある意味衝撃的だった。しかし・・・その至福の瞬間は確実に終を迎えようとしていた。もうフィルターの手前まで短くなってしまった世界一の葉っぱをもう一深ーーく吸い込んで火を消した。

一緒にBARに行った白人仲間のとこに戻り、飲みかけていたウィスキーを一気に飲み干した。頭の中がグルグル回ってる。ああでもない、こうでもない!答えはひとつだけなんや。あのタバコを毎日吸いたい。それは紛れもない心の中の真実だった。しかしそこに行き着くまでのプロセスが見えない。だって最買いたいと申し出た時、奴は難しいと答えていたからや。でも欲しい!どうしてもあの女を抱きたい!いや違う、あの世界一の葉っぱを自分のものにしたい。以下次号。